この間の日、月曜日で、小田原、真鶴、熱海方面をウロウロしてきました。旅のお供はchiakiちゃん。
一番の目的は、杉本博司さんの江ノ浦測候所に行く事。今年の春に、彼女と一緒に瀬戸内芸術祭の直島のベネッセミュージアムで見た杉本博司さんの写真はまだ頭の中で鮮明です。その杉本さんの構想10年、建設10年という江ノ浦測候所です。
そのついでに、小田原の文学館、鈍翁 in 西海子(さいかち)、古稀庵、皆春荘、熱海の起雲閣、MOA美術館も楽しんできました。
ただ一つの大きなハプニングを除いて、どこも素晴らしくて、とっても楽しいいい旅でした。
そのただ一つの大きなハプニングとは・・・台風で江ノ浦測候所が閉鎖となったのでした。何も知らず、送迎バスを待つ私達~~ 待てども待てどもバスは来ない~~
電話をしてみると、ががーーん!!!閉鎖!!! そんな思いもよらない結果に終わった江ノ浦測候所でした。
が、仕方ないです!リベンジするぞ!!!
前置きはこれ位にして・・・
旅には付き物の美味しいものは・・・
それはそれは
心から満足の行く懐石料理を頂いてきました。
行ってきたのは小田原城近くにある懐石料理のお店、円相。
湯河原の有名な老舗旅館「石葉」で料理長を務めていらした中田さんが4年前に独立されたお店です。
前々から知っていたお店ではなく、今回小田原で美味しいランチを探したら、ネットで出会えたお店。
どなたかが、このお店の入口の写真を紹介していらして、もうこの入口だけでピーンと来たお店。次々に紹介されているお料理の写真に一度に引き込まれ、行きたーい!久々惹かれる!!! 絶対美味しい!!! こんなに惹かれるお店はないと確信したお店なんです。
実にシンプルな店構え。大好きです。
マンションの一階にあるのですが、知らなくては引き戸に手が行かない^^ 知ってても引き戸をひく手が緊張しそうですne^^
粽(ちまき)とは
ちまきと聞くと食べ物を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、祇園祭のちまきは食べ物ではなく、笹の葉で作られた厄病・災難除けのお守りです。
京の祇園祭の賑やかさをほんの少し感じながらお店に入りました。
いらっしゃいませ、こちらにどうぞ、と案内されたのはカウンター席の真ん中二席。
この日は私達2人だけの貸し切り状態の様でした。夜は満員とのこと。とってもラッキーなお昼でした。
迎えて頂いたのは中田氏の奥様。土日だけお客様の応対にお店にいらしているのだそうです。そのことも、いい時間を持てた要因でもありました。だって、だって、話があったのです。山好き、自然好き、花好き、アート好き♪ あらまーーー 大将も山、花、大好きなんですって~♪
座ると真正面の掛け軸が気になります。
あの絵は何ですか?
何に見えますか?
うーむ。
「ずいき」なんですよ。 へー、ずいきなのねー この間、食べましたー^^ なんて言ってると、
作者は竹内栖鳳なんです。
ええーーー、栖鳳(せいほう)なんですか? ええーー、栖鳳の絵を見ながら食事ができるの???
とはchiakiちゃん。ごめんなさい、私は栖鳳を知りませんでした。
さすがにchiakiちゃんはよく勉強してます。私は本当に感覚派なもので、、、勉強好きでないもので、、、 でも、栖鳳さんとはとてもいい出会いが出来ました。次の日のMOA美術館でも栖鳳さんの好きな絵に出会えたのです。
おおー
素晴らしいお店に来れた!
朝9時から、小田原で色々廻って暑かったので、まずはビールをお願いして、乾杯!
美味しい!!!
そして、最初は先付けです。
三つ葉と舞茸と毛ガニと菊の花 上に乗っているのは?何の花の蕾でしょう? まだ気分が舞い上がっていて、名前が頭を素通りしてしまって聞けなかった。
活けてある花はお庭に咲いたシュウメイギクだそうで、花瓶はローマングラスなんですよ。1000年ぐらい土の中に埋まっていて、銀化しているのだそうです。
敷いてある板は・・・あー忘れた!chiakiさま助けて! なにか面白いものだったの~
右手前のバカラで、今度先付け食べてみたいな。
入口を入った空間は6人席のカウンター。3~4人用の個室がすぐ横に。
そして、もう一つ、お忍びでいらっしゃる方用?のお部屋がありました。誰とも顔を合さなくてもいいようになってました。
次はお椀
ふふふふふ
もう中を見ただけで笑みが!
松茸と鱧と金時草
鱧を口に入れて、、、 おおーー 素晴らしい。。。
ねーねー、鱧の皮が簡単に切れちゃうよ~ 身も柔らかい~~!! 溶けちゃう~~!!
何ておいしいの。
久しぶりに食べた大満足の鱧。
もちろん、松茸もいい香り。
しあわせの極致です~~
お椀も薄くて軽い。。。何とかの何とかで、相当古いものでした。
そして、これなあに? 庶民のお椀ならわかめ? と思いつつ、引っ張り上げてみたものは・・・
キンジソウという事でした。キンジソウとは金時草と書くのだと教えて頂きました。
これなんですよ。
写そうとすると、
写すならこれを!と下の方から差し出して頂いたのがこの枝。
調べてみましたキンジソウ。
金時草は、和名はスイゼンジナ(水前寺菜)といい、キク科ギヌラ属の多年草で、熱帯アジアが原産である。
へー、熱帯の植物なんですね~
日本へは18世紀に中国から渡来したものであるが、九州の熊本市で古くから栽培されていたのでこの名(水前寺菜)がついたとされている。このスイゼンジナが江戸時代に、北国である石川県で栽培されていた記録(農業開志 著者農学者 村松標左衛門 1775年頃)がある。しかし、商品としての栽培が広がり始めたのは昭和初年頃のことで、以来70年間、全国的に多く栽培されているのは、金沢だけである。
加賀野菜なんですね。
がってんです!!!(^▽^)/
そろそろ、冷酒を頂く事に。
タバスコ似のラベルですね。
このタバスコ似のラベルが問題を起こしたみたいです。
なので載せられないですが、長野県、大澤酒造の明鏡止水の鬼辛純米。ほどほどに辛くてすっきりした味わいで美味しく頂きました。
明鏡止水とは邪念がなく、澄み切って落ち着いた心という意味。
魅力的な言葉ではあるわい!笑
酒器勢ぞろい
お造り 手作りのポン酢とお醤油です。
今度はこのお酒
「酒門の会」というのがあるそうで、その会認定?のお酒だそうです。
酒門の会とは
最高の品質、最高の満足をお客様に提供する。
全国各地の地酒専門店有志とその趣旨に賛同する蔵元が一体となり1994年9月に設立した会です。
2016年現在、64件の会員酒販店と8場の蔵元で構成されています。
「日本酒の世界を創造すること」を存在意義とし、市場を牽引し、且つ新しい市場を開拓し、会員酒販店及び蔵元がステータスアップし、各蔵元の商品をブランディング化していくことを目的とし活動しています。
日本酒の品質向上、日本酒市場の開拓という同じ目的意識を持つ、8つの蔵元にオリジナル酒の製造を依頼し、タンク契約で商品計画から蔵元と酒販店が一緒になり優良商品の開発を行い製造していただいた作品を酒門の会会員酒販店を通じて販売しております。
酒門の会 推奨酒は各蔵元それぞれのオンリーワンを目指したコストパフォーマンスに溢れる作品揃いです。
酒門の会オリジナル限定酒をぜひお楽しみ下さいませ。
酒門の会HPよりhttp://www.shumonnokai.jp/
さあ、今度は何かな?と思っていたら、大将が一段のお重箱を運んできてくださいました。
じゃじゃーーん
ふたを開けて頂くと・・・ わぁー、綺麗!
秋がいっぱい詰まってました。
本当に、わお!です。
ほーー! 素晴らしい秋の世界だぁ!などと感激していると、当然のごとく忘れてました、写真撮影^^
chikaiさまーー 写してる? 写ってました、良かった~~!!!
葉っぱは?と聞くと、うちの人がとって来るんです。好きなんですよ~~ 山や花が大好きなんですよ~とのこと。
わー、嬉しい。
山もよく行くんです、丹沢とかよく登るんですよ、とのこと。
私も山登りますよ、しんどいけど、花が咲いてるから~とか、話が弾みました。
宝箱のようなお重の中身、ごめんなさい、説明できません。
それほど、話にも花が咲き、食べるのも話すのも途切れることが無かったもので、ゆっくりと名前を頭に入れる時間もありませんでした。
美味しい美味しい!
感動感動!
どれもこれも 深く繊細。
いつものコースなら、順番に、八寸や焼き物や揚げ物などが出て来るのでしょうが、この日は宝箱の中にぎゅっと詰まってました。一つ一つに、どれほどの手間が掛けられている事でしょう。
体調悪くなれませんね???
と聞くと、本当にそうなんです。風邪もひけませんとのこと。
海外など行くと味覚がおかしくなってしまいますよね。微妙な感覚をいかに維持するか、本当に料理人は大変だと思います。頭が下がります。
食べ物の話、建築の話、美術の話。
楽しかったです。
ご飯は、、、松茸ご飯
雲井窯の中川一辺陶さんの土鍋 だそうです。
松茸ご飯は、勿論、言うまでもなく美味しい。
お代わりを頂いちゃいました。
大将はいつもは隣りの部屋で調理、女将さんだけが相手をして下さいますが、この時は出て来て下さったので、熟成のお魚の話のことなど聞いてみました。
そうしたら、下からサバを出して見せて下さいました。これが、今3日目です。
余りに美味しそうに見えたので、おねだりして、お聞きしました。
それ、今頂けますか? 食べる事出来ますか?
いいですよ~~^^ 有難うございますと奥様。
さっと、お酢で洗って出てきたのがこちら。
わさびだけで頂きました。
ふふふふふ。
ちなみにお皿は明の時代のお皿だそうです。
器全てが骨董です。北宋とか明とか、○○時代とか、まるで美術館にいるような、それでいて、その貴重な器で、お料理を頂けるなんてこれ以上のことはありません。
美術館で器を眺めては、器にお料理を盛ってイメージを楽しむ私。それが今現実なのね。器もこのお店にやって来て喜んでいることでしょう。
何処かのお家の食器棚に飾られ、使われもしないのは、器は悲しいと思うんですよね。
大将がさりげなく花を変えて下さいました。
ヒオウギの実( ぬばたま )に変わりました。
デザートは果物。葡萄は凍らせてありました。とろとろ具合が抜群のジュレがかかってました。
載せてあるのはカラスウリの葉。
帰り際、お花を見せて頂きました。
↑ 縄文土器
↓ 南蛮粽
古来より黒褐色をした焼締陶器を、茶人の間では南蛮と総称し、その中で粽(ちまき)と呼ばれるものは口を鐔(つば)状に薄く作り、胴を膨らませて苞(つと)のような形をした瓶のことを指すのだそうです。学びました。
美しい
野の花が素敵
あれこの花なんだっけ?
どこかでよく見てる花
ヤブランの花でした。
マンションで毎日見てる花でした。
お店はどなたの設計ですか?と聞くと、うちの人の設計ですとのこと。
さもありなん!
京都の美味しい所や湯河原の美味しいお店やお聞きしました。
行かねば===!!!
和やかな雰囲気の中、敷居の高さも感じることなく、最上のひとときを過ごせて幸せでした。
最後、お店の外で、ご夫婦揃ってお見送り下さいました。
もういいですよ!と何度も言うのに、最後の最後までお見送り頂き、温かさ迄頂き本当に有難うございました。
小田原迄新幹線であっという間。
駅から徒歩15分ぐらいでしょうか?
頂いたのは1万円お任せコース。お昼は一万円からです。
普段は高く感じるお値段がこれでいいの?と感じるほどで、わざわざ行ってもお釣りがくるくらいの価値ありです。
お金は使いようですね♪ ぜひまた行きます。
HPは無いので、宣伝して下さいね、などとおっしゃってましたが、本当にHPはいらないですね。
お店の名前の円相とは、
禅宗で、悟りの形象として描くまるい形。心性の完全円満を表す。
とありました。
一年ぶりの大ヒットのお店でした。
付き合ってくれたchiakiちゃん有難う。
円相食べログ→https://tabelog.com/kanagawa/A1409/A140901/14060716/
では
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